仕事をやり遂げることの素晴らしさを実感してください。

「舟を編む」を観た感想文です。

三浦しおんさん原作の小説の映画化ですが、原作を読まずに観たので、予備知識ゼロでした。

内容は、新しい大辞典の編集に取り組む人達の苦労と努力の物語です。

新人編集者が、超ベテランの辞典編集者をはじめとする様々な人たちの協力を得ながら、コツコツと丹念に丁寧に、「大渡海」という超大作の辞典を相当年数をかけて完成させていくというお話です。

予算、時間の制限、人材確保などなど様々な課題と奮闘しながら、恋愛・結婚・親になる喜び、大事な人の病気などなど人生の様々な経験も重ねながら、主人公の編集者は、本当に地道にコツコツと丹念に辞典を完成させていきます。

我々現代人が、あふれかえる情報の海の中で、膨大な言葉の波に翻弄され溺れてしまわないように、しっかりとした大きな舟となって、正しい方向へ導いて行ってくれるもの、それが「大渡海」というわけです。

「舟を編む」というタイトルの意味は、そこから来ているのです。

目指す仕事の重要性、偉大さに比べ、実際に行う作業のなんと地味で単調なこと。延々と繰り返される「漏れなくすべての言葉の意味を書き記す」という作業。いつ終わるともわからないような仕事を細心の注意を払いつつ、大勢の人たちとのチームワークを維持しながらつ続けていくことの難しさ。正直、「大変だなあ、辞典の編集って!」と、誰もが言葉を漏らすはずです。

しかし、様々な苦労を重ねながら、言葉を一つ一つ大切に拾い集めて「大渡海」を完成させていく過程は、「本当に素晴らしい『大仕事』をやっているなあ!」と感嘆詞とともにみなさんきっとおっしゃると思います。

しずかに流れていく時間とともに「大きな仕事を完成させることの難しさ、素晴らしさ」を十二分に味わっていただける作品です。じんわりと感動ものですよ、この映画は。